【映画忍たま乱太郎】土井先生の因果応報を描いた作品【ドクタケ忍者隊最強の軍師】

感想
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先日見てきた忍たま乱太郎の映画「劇場版忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」が神作品でした。

好きな作品の劇場版なので、ほんのりとバイアスがかかっている点を自覚しつつ、それにしても本当に良い映画だった。

この映画、本当に90分だったのでしょうか?あまりにも内容が濃いので、体感時間は3時間くらいあったのですが……

⚠️注意⚠️

映画のネタバレ、また忍たまをよく知らない人にとってはネタバレになる内容を含みます。

筆者の理解度

感想を綴る前に忍たまの理解度を下記に記載。

名前、所属委員会等の詳細が分かるキャラ(生徒)
  • 2,3年生はところどころ自信なし
名前、所属が分かるキャラ(生徒以外)
  • そのほかの先生陣、大人勢は顔と性格だけぼんやりと
  • 雑渡昆奈門さん…わかる
  • 諸泉尊奈門さん…なんとなくわかる
映画に関連する情報の前提知識
  • タソガレドキ城が中立勢力…わかる
  • チャミダレアミタケ…わからない 
  • きり丸の生い立ちは知っていたものの、土井先生の過去は存じ上げず

上記の通り、詳しい部類には入らないものの、昨年ごろからテレビアニメの過去作を見始めたため、人並み以上には忍たまの知識理解があるかなと自負している。子供のころに見ていた層以上には把握しているかと思います。

ストーリーの概要

本作品のおおまかなストーリーは、突如として行方不明になった土井先生を巡って、忍術学園とそれを取り巻くほか勢力(ドクタケ、タソガレドキ)との抗争が勃発、激化……という内容だ。

この抗争の様子、戦況の変化が、瞬きの間もない恐ろしいスピード感で描かれる。

「本当に90分しか経ってないの!?」と思わせる密度の濃さは、きっと映画を見た誰もが感じたのではないでしょうか?

どれくらいスピード感があるのかの説明として懺悔も兼ねた告白をするのだが、天鬼との戦闘時に伊作先輩の髪が切れたというシーンがあったそうなのですが、お恥ずかしながら私は視認できませんでした。漫画だったら1ページ丸々使って描写されるであろう「戦闘時の不慮の事故による散髪シーン」。それを視認できない、もしくは気にしている間がないようなテンポ感で描写するのがこの忍たま乱太郎の映画である。

土井先生の存在が周囲に与える影響

土井先生は聖人である。それは視聴者の誰にも相違のない認識であり、事実といって間違いない。

そんな土井先生が諸泉さんとの果し合いの末に忍術学園から姿を消した。土井先生が姿を消したのは果し合いの夜だったが、日が昇って次の日の朝には既に学園関係者の間では大ごととして扱われ、捜索にあたり山田先生、利吉さん、六年生など多くの人員が動くことになる。

土井先生の行方不明という事実は4年生以下の生徒には知らされないため、1年は組のみんなは土井先生がいつ帰ってくるのかを気にしながらも、雑渡さんの授業を受けることになる。だが落ちこぼれ気味の1年は組が雑渡さんの緊張感漂う授業をこなせるわけもなく、土井先生の帰りを待ちわびながらスパルタ授業に疲弊する日々が続いていく。

行方不明から数日の間は「怪我をしてどこかで寄り道をしているのかも…」という希望が残されていたため、学園はいつも通りの日常を取り繕うことができていたが、時間経過につれ高まる緊張感。硬くなってゆく表情筋。捜索活動で目ぼしい情報を掴めない六年生たちが、「土井先生がすでに死んでいる可能性を含めて探した方がいい」「そんなことを言うな」「認めたくない気持ちはわかるが、事実だろう」といった衝突をしていた時は、おおよそテレビアニメ版では見られない冷静さを欠いた姿に思わず泣いてしまいしばらくの間視界がぼやけてしまった。

そんな大修羅場を、よりにもよって最も土井先生と身近な立場であるきり丸が聴いてしまい、土井先生の不在が出張などではないこと、生死も危うい状態であることを知ってしまう。

いったいどんな表情をするんだろう?きり丸の愛嬌の良さ、人当たりの良さを考えると、「先輩!!今の話いったいどういうことですか!?」というように勢い余って六年生の前に突撃するのかな?はたまた衝撃で物音を立ててしまい、六年生たちに気づかれてしまうのかな?と考えていたのだが、その時のきり丸はまるで処理落ちしてしまったPCの画面のように、ただ硬直していた。そしてその晩のきり丸は悪夢にうなされてしまった。

天鬼の存在が周囲に与える影響

しばらく割愛し、六年生と刃を交えた天鬼が、六年生六人がかりで傷一つ付けられなかった天鬼が、土井先生と瓜二つの天鬼が、探していた土井先生そのものだということが判明する。

そして土井先生の無事が判明した手前、タソガレドキが土井先生失踪の責任を負う形で行っていた先生代理の任から身を引くことになる。…タソガレドキは中立とはいえ、もうそこで身を引くんだ!?「ここまで乗り掛かった舟だし最後まで協力してやるか…」的な展開になるかと思っていたので、雑渡さんの判断の速さに驚いてしまった

だが、天鬼という最強の軍師の存在がドクタケを子悪党から世紀の大悪党に、ひいては室町の世を戦乱の世にしてしまうかもしれないとのこと。土井先生がこれまでの土井先生ではない以上、タソガレドキは土井先生への情と忍術学園への恩を捨て、天鬼を仕留める必要がある。物語の戦況はここで忍術学園、ドクタケ、タソガレドキの3つ巴に。

天鬼の存在はドクタケを大悪党にすることも、室町の世を戦乱の世にすることも、土井先生を倒したくない忍術学園VSタソガレドキの敵対構図を作ることもできてしまう。土井先生の身一つでここまで事態が大きく動いてしまう。土井先生はいったいどれだけ強いんだ?

兵法に秀で、戦闘にも秀でていて、何者にでもなれる力を持った土井先生。そんな強い影響力のある土井先生が、その力をこれまでまっとうな光の道のもとにふるい、教職についてくれていて本当に良かった。

しかしこの辺りの勢力変化、もしかしたら小さなこどもにはちょっと難しかったかもしれないね。さっきまで授業してくれてたのに何で敵になってるの!?みたいな。

善い人が正しく報われてほしい

私は日ごろ、因果応報が正しくある世の中であってほしいと思っている。善い行いが良い結果にでる「善因善果」もそうだし、悪いことをしたら悪いことが起きる「悪因悪果」もそう。自分の取った行動がすべてゆがみなく自分に跳ね返ってくる世の中であってほしいと思っている。

土井先生。

早くして身内をなくし天涯孤独でも、置かれた環境に言い訳をせず努力を続けてきた人。

同じような生い立ちのきり丸を放っておけず、家族のように迎え入れる優しい人。

子供たちの成長を誰より願っている人。

そんな先生の正しさを周囲のみんなが知っているからこそ、これだけ多くの学園関係者が先生のためにと体が動き、心が動かされる。

まっとうに生きてきた土井先生が、は組や六年生の教え子みんなに迎えに来てもらって、きり丸に注いだ愛がまっすぐそのまま返ってきて、みんなに愛されながら物語はハッピーエンドを迎える。ここはまるで先生のこれまでの生き方が報われているかのように感じた。土井先生の積み重ねた努力が、人に与えた愛が正しく返ってきたような気がして、非常に気持ちが良かったです。

90分という尺としては短め、アニメ映画としては並くらいの尺ではあるものの、土井先生の過去に興味を持たせるには十分すぎる内容でした。冒頭にも述べた通り、手放しで絶賛したい名作です。

どうやら最近のテレビアニメ版では、土井先生が山田家に迎え入れられた際のお話、六年生が一年生だった頃の話が描かれているとか。絶対に見なきゃいかんやつ!!

そして前作の劇場版「全員出動」もすでに配信で見られるみたい。どうしてこれまで見ていなかったんだ。必修単位も取得せずにのんきにブログ書いてる自分が情けない。全員出動も今すぐ見てきます!!!!

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